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五十嵐 誉廣; 大谷 恭平; 加藤 千明; 坂入 正敏*; 富樫 侑介*; 馬場 和彦*; 高木 周作*
ISIJ International, 61(4), p.1085 - 1090, 2021/04
被引用回数:1 パーセンタイル:8.06(Metallurgy & Metallurgical Engineering)水溶液中の金属カチオン(Zn, Mg, Na)が鉄への水素透過に及ぼす影響を明らかにするために、鉄表面からの水素透過量をレーザーアブレーションを用いた電気化学試験により測定した。また、金属カチオンによる水素透過の基本的なメカニズムを得るために、第一原理計算を使用して金属カチオンの吸着ポテンシャルと鉄表面周辺の電子状態を取得した。実験解析から、溶液中のZnによって鉄表面の陽極反応が抑制されることがわかった。また量子解析から、ZnイオンはNa, Mgイオンよりも鉄表面に強く結合することがわかった。これより、鉄の溶解反応はZn層の形成により抑制され鉄への水素透過の抑制につながることが示唆された。
大矢 恭久*; Li, X.*; 佐藤 美咲*; 湯山 健太*; 小柳津 誠; 林 巧; 山西 敏彦; 奥野 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(3), p.402 - 405, 2016/03
被引用回数:10 パーセンタイル:68.36(Nuclear Science & Technology)3keV重水素イオンと10keV炭素イオンを照射したタングステンの重水素透過挙動を調べた。重水素イオンと炭素イオンを照射したタングステンにおいては、未照射タングステンと比して、重水素透過が明確に減少した。しかし、重水素のみを照射したタングステンでは1173Kまで加熱することにより未照射タングステンと同等にまで重水素透過が回復した一方で炭素イオンのみを照射したタングステンでは回復しなかった。このことから、タングステン中の炭素の存在はタングステン中の重水素の透過経路回復を妨げることが示唆された。さらに、TEM分析から1173Kではボイドの成長がみられるものの消滅していないことから、タングステン中の照射ダメージが回復してないことがわかり、この照射ダメージが水素透過挙動に大きな影響は及ぼさないことが示された。
武田 哲明; 岩月 仁*
JAERI-Research 2000-057, 17 Pages, 2001/01
高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムでは、中間熱交換器や水蒸気改質器に使用される高温耐熱合金の水素同位体透過が重要な問題となる。本研究では水素と重水素の相互透過過程が金属管を透過する重水素量に及ぼす影響を調べることが目的である。実験の結果、相互透過における重水素透過量は重水素が単独で透過する場合に比べて減少した。また管外の水素分圧の増大に伴い、重水素透過率は減少した。同位体HDの生成と金属表面での原子分率を考慮した計算モデルを用いて重水素透過量を定量的に予測することができた。
武田 哲明; 岩月 仁*; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
日本原子力学会誌, 42(3), p.204 - 211, 2000/03
被引用回数:2 パーセンタイル:19.44(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する水素製造システムでは、中間熱交換器や水蒸気改質器に使用される高温耐熱合金の水素同位体透過が重要な問題となる。本研究は水素同位体透過現象の律速過程や透過量を低減する効果的な方法を調べることが目的である。本論文ではHTTR水素製造システムにおける透過現象の律速過程と透過試験の概略及びハステロイXRの水素・重水素透過係数について述べた。HTTR水素製造システムにおいては金属内の水素拡散が律速過程であり、ハステロイXRの水素透過に対する活性化エネルギーはハステロイXの値とおおむね一致した。重水素透過係数は水素透過係数の約1/1.42倍の値であった。またヘリウムガス雰囲気で約140時間加熱中に形成された金属表面の酸化膜でも水素同位体透過量の低減効果を有することがわかった。
武田 哲明; 岩月 仁*; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
本研究は高温工学試験研究炉(HTTR)の水蒸気改質水素製造システムにおけるトリチウム・水素透過過程を調べるため、中間熱交換器伝熱管やその熱利用系として接続する水蒸気改質器触媒管として採用されるハステロイXR等の高温耐熱合金の水素及び重水素透過係数を取得するとともに、水素同位体透過量の低減が期待される水素同位体対向拡散による低減効果、酸化膜やコーディング等による低減効果等の定量評価を行うことを目的としている。本論文では、水素透過試験装置の概略と得られたハステロイXRの水素透過係数について報告した。試験の結果、ハステロイXRに対する水素透過係数の活性化エネルギーと頻度因子は、温度600C~850C、水素分圧差100Pa~410Paにおいて、活性化エネルギー:E=67.201.2kJ/mol,頻度因子:F=(9.972.15)10であった。また800Cで約140時間加熱後の水素透過係数は、活性化エネルギー:E=70.202.0kJ/mol,頻度因子:F=(4.740.4)10であり、活性化エネルギーは大きくなるが、水素透過係数は約1/2であった。
武田 哲明; 岩月 仁*; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
JAERI-Tech 98-044, 34 Pages, 1998/11
日本原子力研究所では高温工学試験研究炉(HTTR)の建設を進めており、1998年中頃の初臨界を予定している。原子炉の性能試験、安全性実証試験に引き続き、天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムを接続する予定であり、HTTR水素製造システムの安全性、制御性及び性能等を実証するための炉外実証試験と要素試験が計画されている。そこで、安全審査及び数値解析コード開発に資するため、水素透過試験を実施した。本研究では水素透過量の低減が期待される水素同位体対向拡散による低減効果、酸化膜等による低減効果等の定量評価を行うことを目的とし、ハステロイ等の高温耐熱合金の水素同位体透過係数を取得する。本報告書は、試験装置の概略と本装置を用いて得られた600C~850Cの高温条件下に対するハステロイXRの水素透過係数についてまとめたものである。
滝沢 真之
JAERI-Research 98-019, 181 Pages, 1998/03
磁場閉じ込め型核融合炉のプラズマ真空容器周辺部におけるスクレイプオフプラズマと炉壁の相互作用(PWI)の中では、水素が炉壁を拡散、透過して裏面側に放出される事象は、トリチウム漏洩の観点から特に重要な研究課題である。本研究は、水素がイオン化あるいは原子化されると透過流量が飛躍的に増大する現象(PDP)を多角的な視点から調べるため、水素原子・イオン、及び電子が混在する低温プラズマ環境下において、数種類の金属材料の試料膜を使用した水素透過実験を実施した。またプラズマから膜への水素入射量の評価を数値解析により行った。そして低温プラズマが駆動する水素透過現象の機構を明らかにし、モデルの形に整理した。さらに本研究でまとめたPDPモデルを基に水素透過ポンプシステムのシミュレーションを行い当該システムの模擬評価に適用できることを示した。
武田 哲明; 岩月 仁*; 小川 益郎
日本機械学会第6回動力・エネルギー技術シンポジウム'98講演論文集, p.90 - 95, 1998/00
本研究では、HTTRの中間熱交換器伝熱管やその熱利用系として接続する水素製造システムの水蒸気改質器反応管の候補材料である高温耐熱合金の水素透過係数を取得するために水素透過試験装置を製作し、試験管温度(600C~850C)、試験管内水素分圧(10Pa~4kPa)をパラメータとして、ハステロイXRの水素透過係数(活性化エネルギー及び前指数部)を求めた。試験で得られた水素透過に対する活性化エネルギーの値は、これまでに報告されているハステロイXの値と一致した。
武田 哲明; 岩月 仁*; 西原 哲夫
Proc. of ICONE-6, p.392 - 393, 1998/00
HTTR熱利用系におけるトリチウム/水素透過に関して、高温耐熱金属管に対する水素透過係数を求め、酸化膜による低減効果、重水素を用いて同位体効果等を調べるための試験を計画している。本報では、実験装置の製作に関連して予備的に行った数値解析結果を述べた。解析はこれまで報告されている透過係数を用いて、2次元の拡散方程式及び1次元の物質保存の式を同時に解き、水素透過量を求めた。その結果、本実験で透過する水素は数十ppm以下の低濃度であること、ppm以下の低濃度水素分析及び管表面に形成される酸化膜の評価が重要であること等がわかった。
炉心プラズマ計画室
JAERI-Research 97-012, 96 Pages, 1997/03
Ti-6Al-4V合金材料について、実験で以下に示す材料特性を明確にした。1)重水素イオン(0.5keV,~10Dions/ms;760K)による高温透過挙動では、透過/入射フラックス比は、633Kで3.310,753Kで4.810であった。透過の律速は合金中の透過側への拡散で決まり、透過の活性化エネルギーは600K以上の領域で0.12eVである。600K以下では、透過フラックスは激減し、入射された重水素イオンは、ほぼ合金中に残留する。2)放射化分析では、Ni,Co,Mnの不純物が検出された。3)高温で水素吸蔵(500C,~50Torr,~0.095wt.%)させた材料の強度試験の結果、~0.04wt.%までは材料として、使用可能。溶接の有無の差は、無かった。Ti合金を真空容器材料として使用する場合には、放射化分析で不純物(特にCo)の少ない材料を選択、水素吸蔵のあまり進まない200~300C程度以下、水素吸蔵量~0.04wt.%以下で使用する必要がある。
棚井 憲治; 菅野 毅; Galle, C.*
PNC TN8410 96-289, 25 Pages, 1996/06
高レベル放射性廃棄物地層処分における人工バリアの一つである炭素鋼オーバーパックは、還元環境下では腐食により水素ガスを発生する。この水素ガスは、緩衝材の通気性が小さい場合には、オーバーパックと緩衝材間に蓄積され、人工バリアの構造力学的安定性や核種移行特性に影響を及ぼす可能性がある。したがって、緩衝材中のガス移行挙動メカニズムを定量的に把握し、ガス発生による影響を定量的に評価する必要がある。本報告書は、(1)腐食生成ガスの蓄積、移行の検討(2)不飽和透気試験(3)飽和透気試験(4)ガス移行経路の同定手法に関する検討のそれぞれの結果について述べるものである。水素ガスの蓄積、移行の検討については、腐食速度から求められる水素ガスの発生量と溶存水素としての拡散移行速度をそれぞれ概略的に計算し、ガスの蓄積可能性について検討を行った。その結果、ガス発生速度に比して拡散移行速度が2桁程小さい値となることから、オーバーパックと緩衝材間に水素ガスが蓄積される可能性があることが分かった。しかしながら、現状の試験結果から水素ガスは膨潤圧程度の圧力でベントナイト中を透過することが推測されていることから、水素ガスの蓄積圧力による緩衝材の構造力学的安定性に与える影響は少ないものと予想される。不飽和透気試験においては、ガス有効浸透率の飽和度依存性について検討を行い、以下のような結果を得た。1)ガス有効浸透率は飽和度が高くなるにつれて小さな値を示し、その値は約70%の飽和度においてガス絶対浸透率の1/1001/1000程度であることが分かった。2)本試験結果は、既に幾つか提案されている相対浸透率評価モデルのうち、Coreyモデルにより近似できる。3)絶対浸透率は、元来流体によらず媒体固有のものであるが、透水試験の結果から求められた絶対浸透率と本試験結果を比較した結果、5桁程度異なることが判明した。その理由としては、ベントナイトのような膨潤性媒体の場合、膨潤による空隙構造の変化が起因しているものと推測される。また、飽和透気試験においては、破過圧力の把握と破過圧力と膨潤圧との関係について検討を行い、以下のような結果を得た。1)破過圧力は乾燥密度の増加に伴い大きくなる傾向を示し、これは各乾燥密度の膨潤圧に依存しているものと推測される。2)破過後のガスの有効浸透率は、10-1810-21 の範囲で
小西 哲之; 吉田 浩; 成瀬 雄二
日本原子力学会誌, 24(12), p.973 - 979, 1983/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.89(Nuclear Science & Technology)核融合炉燃料精製系への適用を目的として、管型パラジウム拡散器の特性をモデル計算により解析した。その結果、一基の拡散によってプラズマ排ガス中の大部分のトリチウムが回収できることが判明した。数値解析により拡散器内の水素濃度分布および流量分布を求めた。水素の回収率は流れ方向の混合拡散係数と供給ガス流量の関数として表わされる。結果に基づき、拡散器の大きさおよび運転条件を決定することが出来る。燃料精製系のための拡散器を、Los Alamos National LaboratoryのTritium Systems Test Assembly(TSTA)の条件のもとに設計した。
吉田 浩; 小西 哲之; 勝田 博司; 清水 徳; 成瀬 雄二
日本原子力学会誌, 24(6), p.475 - 482, 1982/00
被引用回数:1 パーセンタイル:21.73(Nuclear Science & Technology)核融合炉燃料サイクルの不純物除去工程にパラジウム合金膜法を適用することを目ざして、プラズマ排ガス中に含まれると考えられるアンモニア、メタン、一酸化炭素、水蒸気等の不純物がパラジウム合金膜に及ぼす影響を広い温度、濃度範囲で調べた。パラジウム合金膜としては、市販の多元素合金膜(管状;1.6mm100mm)を用いた。この研究により、上記不純物による膜特性(水素透過係数、機械的強度)の劣化は生じないこと、油蒸気や酸素による膜表面の一時的な汚染は容易に除去できること、パラジウムの触媒作用によりアンモニア分解反応(NHN+H)が生ずることなどが明らかにされた。また、H,Dの透過係数における同位体効果を定量的に表わす実験式が得られた。
黒羽 光雄; 井上 設生*; 増井 章裕*; 奥村 泰伸*; 大後 美道; 太田 英久*; 佐藤 稔*
PNC TN941 81-51, 70 Pages, 1981/02
ナトリウム加熱蒸気発生器のリーク検出計として,ニッケル隔膜を蒸気発生器のカバーガス空間に直接挿入する型のガス中水素計が試作された。同水素計は,PNC型ナトリウム中水素検出計のニッケル膜と同様に応力負荷方式は内圧型で,真空系の主要構成部品も同一のものが採用された。同水素計は,現在,動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センタ蒸気発生器安全性試験室内。小リーク・ナトリウム-水反応試験装置(SWAT―2)に据付けられ,順調に稼動を続けている。本書では,この水素計の設計仕様,およびその決定根拠を詳細に記述するとともに,試作した水素計の構造,部品仕様,ガス中試験結果,ナトリウムミスト中試験結果について報告するものである。これらの試作,試験を通じて以下の成果を得た。本水素計は,循環型のガス中水素計と比較して,非常に小型であるにもかかわらず,検出機能および濃度測定機能を充分有することが実証された。水素濃度の測定範囲は,数Vppm10,000Vppm(ニッケル膜温度500,カバーガス圧力1kg/cm2G)であることが示された。ナトリウムミスト中のニッケル膜の水素透過率は,ナトリウム中のそれとほぼ同じ値が得られた。
佐野川 好母; 大内 光男; 菱田 誠
日本原子力学会誌, 22(2), p.121 - 128, 1980/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)第1報では、水素透過を防止させる一つの方法として、二枚の金属隔壁の間に液体金属の層を設け、その領域にパラジウム膜を取り付けて水素透過を減少させる「液体金属介在法」を提案し、実験を行った結果、水素透過を減少させる可能性のあることが示された。しかも、その際の水素透過減少率は、原理的にパラジウム膜の面積を大きくすれば、希望する値まで水素透過を減少させ得る見通しも得られた。さらに、この方法を実際の熱交換器に応用する際に必要とされる技術開発課題についても述べた。
菱田 誠; 佐野川 好母; 大内 光男; 滝塚 貴和; 根小屋 真一; 小川 益郎; 江森 恒一
日本原子力学会誌, 22(4), p.251 - 263, 1980/00
被引用回数:3 パーセンタイル:41.98(Nuclear Science & Technology)第2報では、元来金属母材の耐腐食,耐酸化法として開発されたカロライズ処理を、原研の水素ガス二次系熱交換器の伝熱管に施したところ、水素透過量を約1/50に減少させることに成功した。この実験はヘリウムガス温度1000C,水素ガス温度900C,圧力40気圧の条件で、積算約7週間行われたが、劣化の傾向は全く見られなかった。実験終了後、熱交換器を解体してカロライズ浸透層の組織検査を行ったが、試験前と全く変りなく、割れやはがれなども観察されなかった。この方法は、水素透過減少法として、実用的にもかなり有用な方法と思われる。
炉設計研究室
JAERI-M 7293, 139 Pages, 1977/10
トカマク型核融合実験炉炉心燃料給排系の設計研究を行った。炉心燃料給排系は主真空排気系、燃料ガス精製系、同位休分離系、中性粒子入射装置、燃料注入系等より構成される。本設計研究は主にクライオポンプを主ポンプとした真空排気系、Pd-合金膜による燃料ガス精製系および同位休分離系について実施した。主要設計諸元は次の通りである:クライオポンプ;16台、各クライオポンプの排気速度;3.310l/S、燃料精製器;12台、各精製器の有効膜面積;820cm、同位体分離器;47台(第1カスケード)および46台(第2カスケード)、各同位休分離器の有効膜面積;~2,600cm(第1カスケード)および~22,000cm(第2カスケード)。
山尾 裕行*; 岡本 芳三; 佐野川 好母
JAERI-M 7034, 128 Pages, 1977/04
高温ガス冷却炉(High-Temperature Gas-Cooled Reactor)は、従来の原子炉と比較して著しく高温であり、そのような環境のもとで使用される熱交換器の開発には、かつて経験しなかった多くの新しい問題点が生じている。NSA(Nuclear Science Abstracts)に掲載された過去10年間の熱交換器に関する文献索引を利用し、その開発上の問題点を抽出し、検討を行なった。文献を、炉型、熱交換器の型式、国別、冷却材、研究テーマの種類、の各項目について分類した。その結果、炉型としては世界的には、LMFBRとHTGRと軽および重水炉用の開発に重点がおかれていることが明らかになった。一方、HTGR用熱交換器の開発研究は、耐熱材料、腐食に関するテーマのものが、他の炉に比べて多くなされており、また、水素透過防止は、多目的高温ガス炉では重要な課題であることが認識された。
大内 信平; 岡本 芳三
Gas-Cooled Reactor with Emphasis on Advanced Systems,Vol.2, p.219 - 236, 1976/00
多目的高温ガス冷却実験炉(VHTR)の開発プログラムの一環として、炉内照射試験・炉外伝熱流動試験を行うため各種のヘリウムガスループがつくられた。インパイルガスループ(OGL-1)はJMTRにとりつけられ、燃料・材料の照射等を行うためのもので建設中である。OGL-1製作に伴う諸問題解決の為実施した開発試験のうち、炉内管の試作,HTGLによる伝熱流動実験,膨張吸収機構試験,材料試験,断熱材試験などについて述べる。炉外高温ガスループはVHTRのコンポーネントの伝熱流動テスト,燃料要素の伝熱流動特性テストなどのために作られたものである。これらの研究のうち、炉心チャンネル内での層流化現象と対策,配管の熱損失,水素透過などの研究について述べる。
磯部 兼嗣; 林 巧
no journal, ,
材料中での水素同位体透過挙動を明らかにすることを目的とし、一般に広く用いられるTIG溶接がSUS304ステンレス鋼の重水素透過に及ぼす影響を調べた。試験体には片端を封止したSUS304ステンレス管を使用した。試験体作製に必要な2か所の溶接以外に、さらにTIG溶接を施すことで、溶接個所が11か所と20か所の試験体を作製した。重水素透過試験は、管内に重水素ガスを0.2MPa供給し、523, 573, 623, 673Kの温度で、ステンレス管を透過した重水素を四重極質量分析計で測定することで実施した。その結果、623K以上の温度では溶接による影響は見られないが、試験温度の低下に伴い溶接によるわずかな重水素透過量の増加が観察された。
末松 千里*; 片山 一成*; 泉野 純逸*; 松浦 秀明*; 大塚 哲平*; 深田 智*; 後藤 実; 中川 繁昭
no journal, ,
高温ガス炉にリチウム化合物を装荷し、Li(n,)T反応を用いて初期核融合炉用トリチウムを生産する方法が提案されている。生産したトリチウムの漏れを防ぐ方法の一つとして、リチウム化合物にPyC(熱分解炭素)層を被覆することが考えられる。本研究では、水素透過実験を行い、トリチウムの漏洩量を解析する上で重要な透過係数を取得した。